妊娠10週から20週目までの初期妊婦は特にリスクが高く、妊娠10週目までに母親が風疹のウイルスに感染すると、90%の胎児にさまざまな影響を及ぼすとされています。
妊娠初期に風疹に感染した場合、先天性風疹症候群について十分な説明を受けた上で妊娠を継続するかどうかの判断が求められます。妊娠21週目以降の場合は通常妊娠が継続されます。
ちなみに、母体に風疹の症状が出ない場合でも、ウイルスに感染していれば胎児には影響が及びますから、その点も留意しておくことが必要です。
先天性風疹症候群の主な病気や症状は、以下の通りです。
- 白内障
- 先天性緑内障
- 先天性心疾患
- 難聴
- 色素性網膜症
- 精神や身体の発達の遅れ
- 流産
- 網膜症
- 髄膜脳炎
- インスリン依存性糖尿病
母親が風疹に感染した時期によって現れる症状は異なり、妊娠6ヶ月以降では難聴の他は心配ありません。白内障や緑内障は治療可能な病気であり、難聴も人工内耳の技術によって、ある程度の聴力の改善は可能です。
先天性風疹症候群の診断は、エコー下穿刺液によるPCR法や、新生児血清IgM特異抗体検出によって行われます。
胎内で風疹に感染した赤ちゃんは、出生後数ヶ月にわたり感染力を持ち続けると言われています。
参考までに、先天性風疹症候群の相談窓口となっている医療機関を以下に列挙させていただきます。
(関東地方)
〇三井記念病院産婦人科
〇帝京平成看護短期大学・帝京大学医学部付属溝口病院産婦人科
〇横浜市立大学付属病院産婦人科
〇国立成育医療研究センター周産期センター産科
(近畿地方)
〇国立循環器センター周産期科
〇大阪府立母子センター